Business Environment and Concept
FAR、AUDと比べ沼にはまる報告が少ない分、実態がつかめない科目。
実際に勉強している身からすると、予想以上に手ごわい科目です。
出題論点の多様性、範囲の広さ、さらにWC対策etc 施さなくてはならない対策が多くて苦労するでしょう。
NBAでいえば、身長低いのにめちゃめちゃ得点するプレイヤーのような位置づけにある科目です(NBA見たことない)
BECの出題傾向は、広い範囲からまんべんなく出題されるというのが定説ですが、
僕は少々懐疑的です。
というのも、過去問で全く出題されない論点と、頻出論点の差が明らかに存在するように感じるからです。
この違和感の正体を明らかにするため、
僕は以下の仮説を立てました、
AICPAは、論点をおおざっぱに分類して、広く浅く出題しているように見せているだけなのではないか?
というものです。
「マクロ経済」という分類を、もっと細かく分けたら、「インフレーション」、「価格弾力性」といった風に分類でき、すると前までわからなかった傾向が見えてくるのではないか、ということを期待しているわけでございます。
この仮説を検証するため、AICPAリリース問題を使って、BECの出題傾向のホンネの部分をあぶりだします!!
ただ、本記事はあくまでリリース問題を対象とした分析で、本試験の傾向に直結しない可能性もあるのでご了承ください。
分析をするにあたり、仮説を5つにブレークダウンしました
⑴年ごとの頻出チャプターを分析すれば、出題トレンドに規則性が見つかるのではないか
⑵出題するチャプターとしないチャプターが存在するのではないか
⑶各年の頻出チャプターの上位3つは不動ではないだろうか
⑷5年間全体で見れば、頻出チャプターが存在するのではないか
⑸論点ごとに5年間全体の問題を分類すれば、頻出論点の傾向が見えるのではないか
これらを立証することがこの記事のゴールです!では早速行ってみましょう!
(忙しい人へ)
本記事では以下のことが分かります
✔BECは、噂通り「広い出題範囲からまんべんなく出題されている」といえるが、論点ごとに細かく区切ると、若干出題傾向がある。
✔財務指標は出題の10%を占めるほど重要度の高い論点
✔CVP分析、COSO-ICについて出題数が多く、優先的に対策が必要
✔プロジェクトマネジメントに関する論点は5年間一度も出題されておらず、後回しでよい
筆者のBECの勉強進捗(記事執筆時点で)
問題集:3~4週
模試:受験済み
AICPAリリース問題 :MC5年分、TBS4年分
AICPAサンプルテスト:Not Yet
仮説検証のため、リリース問題5年分を分析しました。
チャプターは、A社テキストにおけるチャプターのことです。
⑴出題トレンドに規則性があるか
まず、出典チャプターごとに問題を分類すると、以下のようなグラフになりました
めちゃくちゃしんどかった...(笑)
チャプターごとのグラフでは、年ごとにトレンド差はあるが、概観すると、すべての範囲からまんべんなく出題されているということが分かり、仮説の反証となりました。。残念...
まだ、あきらめません。
⑵出題するチャプターとしないチャプターが存在するのではないか
その年に、1問でもチャプターに関する問題が出ていた場合、○を、出ていない場合×をつけ、○の数ごとにチャプターを分類すると、
毎年出題:chap3,9,10,11,17,18,20
5年中4年:chap1,4,5,8,13,15,16,19
5年中3年:chap14
5年中2年:なし
5年に1度:chap2
5年間出題されていない:chap6,7,12
となりました!
つまり、
毎年出題されているチャプター、4年出題されているチャプターがほとんど
という結果になりました(´;ω;`)
少なくとも、一度も出題されていないチャプターが3つあることを発見できたのは、大きな収穫と思われます。が、しかし、
chap6:プロジェクトマネジメント
chap7:FARの復習、ファイナンスのイントロ
chap12:経済学イントロ
これらチャプターは単なるイントロであり、主要論点を扱っていないため、出題されていないのも当然のチャプターと判明しました。ガックシ。
ただ、プロジェクトマネジメントは出題が少なく、最悪捨ててもいい範囲であると判明しました。
もう少し分析を続けましょう。
⑶
各年のチャプター別出題数トップ3のみに注目して分析しました。
結果は、
2021年
1位:chap9
2位:chap4,chap10,chap16,chap20,範囲外
2020年
1位:chap5
2位:chap15
3位:chap17
2019年
1位:chap3
2位:chap5
3位:chap8,chap13
2018年
1位:chap20
2位:chap13
3位:chap10,17
2017年
1位:chap13
2位:BEC範囲外からの出題
3位:chap5
驚くほど、傾向がない...(笑)
毎年頻出問題の上位が入れ替わっているという結果になりました。
⑷
最後に、5年間の問題総計のうち、各チャプターがどれくらいを占めているかを調べてみましょう!
見事なほどに、まんべんなく出題されています...(笑)
もはや、アートですね。
上位3チャプターを頻出とするならば、
chap20が最も出題数が多く、chap3,5,13,17が同率2位となり、お世辞にも、
特定の出題傾向があるとは言えない
という結果になりました...
以上の通り、チャプターごとの切り分けだと、出題傾向がないという結果になりました。
チャプターよりも細かい切り分け方が必要ですね。
冒頭にのべたとおり、「ミクロ経済」を「インフレーション」「弾力性」のようにより細かく分類し、傾向を浮き彫りにすることをめざします。
※論点の区切り方に関しては、完全に僕の主観なので、あくまでもReasonable Assuranceにとどまるということをご了承ください
これ以上書くと記事のボリューム的に、読者の皆様がしんどくなってしまうと思うので、5年間全体での論点別出題比率だけ示して終わろうと思います。
それ以降の分析は、また個別に記事を書こうと思います!
⑸5年全体の論点別出題比率
5年全体の問題全てに、関係する論点のラベルを貼って集計した結果、、
えげつない円グラフができました...(笑)
ただ、よく見ていただくと、チャプターごとの分類と違い、明らかに出題数が多い論点がありますね。
財務指標に関する問題が最多で、全体の10%を占めている
COSO-IC、CVP分析の問題が明らかに多い
という重大な発見がありました!
論点ごとに分けると、若干の出題傾向が見えてくるという仮説は当たっていたようです。
以上の分析から、伝えたいことをまとめると、
✔BECは、噂通り「広い出題範囲からまんべんなく出題されている」といえるが、論点ごとに細かく区切ると、若干出題傾向がある。
✔財務指標は出題の10%を占めるほど重要度の高い論点
✔CVP分析、COSO-ICについて出題数が多く、優先的に対策が必要
✔プロジェクトマネジメントに関する論点は5年間一度も出題されておらず、後回しでよい
この記事での分析はここまでになります。
次の分析の展望としては、
✔全問題中のチャプター比率を大きい順に優先順位をつける
✔順位の高いチャプターでの頻出論点を分析して、対策すべき範囲を見つけ出す
以上を行うつもりで、
これらに関しては別記事で書こうと思います!
長くなりましたが、ご精読、ありがとうございました!
一緒にUSCPA、受かりましょう!!!